韓国のレゲエ・ダブシーンを牽引する、SINGJAY/ボーカリストSGSY(A.K.A 슈가석율/シュガーソギュル)のジャパンツアーが2月より開催決定!名古屋を皮切りに、横浜、東京と多くの会場でパフォーマンスを行う予定だ。
2/21(金)のイベントでは、韓国産レゲエなどを中心としたDJセットを披露すると言うSGSY。どのようにしてジャマイカ音楽と出会い、音楽活動を始めたのか。韓国のレゲエ・ダブシーンはいったいどうなっていて、どんな会場でプレイしているのか。陽気で優しさに満ち満ちた彼の魅力より多くの人に知ってもらうべく、今回はメールでインタビューに答えてもらった。
Kingston Rudieska、Uheeska、Komagens、韓国でレゲエやダブ、そしてスカをベースとした3つのグループでフロントマンを務めていますが、それぞれの紹介をお願いします。
Kingston Rudieskaは、今年21周年を迎えた韓国初の正統派スカバンドです。現在は独自の韓国的サウンドが交わり、以前とはまた異なる表情のスカ音楽を行なっています。
Uheeskaは、Kingston Rudieksaと韓国伝統打楽器のパフォーマンスチーム「ヨンヒカンパニー(Uhee)」が一緒になって作ったチーム。スカとレゲエのリズムに、サムルノリ(※1)とパンソリ(※2)をのせて演奏するスタイルです。韓国国内では国楽企画の分野で活動し、海外ツアーも毎年行うなど精力的に活動しています。
Komagensはレゲエとダブ・サウンドを全面に打ち出したチーム。私はボーカルとダブワイザーを担当しています。去年はHayassen氏のレーベル〈Totalize〉から、Komagens『Palja』を7インチレコードでリリースしました。本作はイギリスのダブマスターPrince Fattyがミキシングマスタリングを、Horsemanがオルガン演奏を行い、アートワークは世界で活躍する韓国のイラストレーター/タトゥーアーティストMiki Kimが担当してくれました。
ヨンヒカンパニー(Uhee)
https://www.instagram.com/uheecompany/
Totalize公式サイト (サイト内に『Palja』のリリース情報もあります)
https://totalize.theshop.jp/
※1…朝鮮の伝統楽器であるケンガリ・チン・チャング・プクを用いた韓国の現代音楽のひとつ。
※2…朝鮮の伝統的民俗芸能。19世紀に朝鮮で人気のあった音楽であり、口承文芸のひとつ。
音楽を始めるきっかけや出会い、ポイントとなったエピソードがあれば教えてください。
幼い頃、朝になると母がオーディオシステムを通してロックを聞いたことが多く影響していると思います。あの時の空気は今でも鮮明に覚えているほど。幼い頃から歌うことも凄く好きでした。あとは、高校の時クラスメイトとパンク・バンドを結成したこと。20歳の時に、当時韓国ロック音楽の聖地であるホンデエリアのライブハウスに通いながら、そこで会った人々とバンド活動を行い、Kingston Rudieskaと出会いました。当時から今まで、ずっと変わらずにジャマイカ音楽へ恋をしています。そして、友人達に好きな音楽を聴かせることが好きだったこともあり、約13年前にDJとしても活動を始めました。デジタルとアナログプレイどちらにするか悩んでいたところ、知人たちの薦めもあってバイナルDJになりました。たまにUSBでもプレイします^^
「ジャマイカ音楽が人生そのものだ」と仰っていた事がとても印象的です。ジャマイカ音楽との出会いを教えてください。
ホンデのライブハウスでパンク・バンドの活動をしていた時、自然とレゲエやスカの音楽と触れるようになりました。当時聴いたスカ音楽はパンク・バンドが演奏していた音楽だったので、正統派なスカ音楽はありませんでした。その後、知人の兄が自主制作したスカのコンピレーションを購入したことをきっかけに、クラシックなスカ音楽を聞くようになりました。そのコンピが本当に良くて…毎日聞いていましたね。その後、Kingston Rudieska結成当時、当時のドラマーの提案で自分がボーカルとして入ることになりました。最初は正統派のスカ音楽があまり好きではなく、 スカ・パンクがやりたかった。でも、音楽を聴いていくうちにルーツを探るようになり、ジャマイカ音楽を勉強するようになり、源流的なものがどこから来たのか、そしてその源流的なものが、どのように今の多彩なジャンルの音楽に影響を与えたのかなど、知れば知るほどジャマイカ音楽の素晴らしさに感嘆すると同時に、憧れの対象だと思うようになりました。今も変わらず、私はこの音楽に夢中になっています!へへへ〜
韓国ソウルでは、レゲエシーンがそこまで大きくない印象です。長く活動されていますが、ソウルのレゲエシーンはどのように見えていますか。
とても小さいですが結束力があると思います。シーンが小さいので、レゲエバンドが新たに誕生するとすぐに目立つ(笑)。韓国の音楽文化も、ますます多様性を持って発展しているので、レゲエもいつか、より大衆に知られるようになるのかも。そのために、私をはじめとする韓国レゲエシーンのアーティストたちが、地道に長く活動しているのでしょうね。私はいつも、今がスタートだと思っています。
主にどのような場所で活動をされていますか。ライブハウスやミュージック・バーを教えてほしいです。
バンドの場合は、ほとんどがソウル市内の公演や地方のイベント、芸術会館。たまにライブハウスでも公演します。ライブハウスはホンデエリアのCCYC、Prism Hall、Club FF、Strange Fruit、senggi studio、ジェビダバン。大きい規模だとSang Sang Madangなど。DJの時は主にレコードバーでプレイしています。ソウル市内だとサンカクチのDamn Good、ホンデのYec’hed Mat、マンウォンドンのVilla Mariana、ミョンドンのFuroa、モレネ市場のMorene Sukha、ソンパ区のCork Seoul、ヘバンチョンのHills And Europaとか。地方だとデジョンのChurch And Dancehall、テグのJames Records、プサンの Output、Basement、Dengue Fever、UTC、Roots Record Bar、Dopamine Record、チェジュ島のサンセットボンゴ、ハッピーソウルラウンジ、ヨイタンピピなどがあります。…多すぎますね(笑)。
SGSY的おすすめスポット(ソウル問わず)を教えてください。
最近ヨンナムドンに新しくオープンした、コーヒーとお酒、そしてオーガニック・フードが楽しめるレゲエバーONE LOVE SEOULは本当にオススメ。あとは乙支路にある、ビル丸ごと音楽ビルみたいなところ。1階に音楽カフェHellCafe、2階にはレコードバーMicroVinylHouse、3階にはレコードショップRecordStockがあります。朝から晩まで遊べそうでしょ?(笑)。レコードショップのオススメならモザイクレコード、ミオレコード、ダイブレコード。トッポッキはシンフントッポッキ(신훔떡볶이)、平壌冷麺はピルドンミョンオク(필동면옥)など!前の質問に続き、答えが多すぎるけど···(笑)。パッと思いつく場所はこれらですかね^^
今回、名古屋と東京をメインにジャパンツアーを行いますが、ツアーにどのような想いがあるかお聞かせください。また、2/21当日はどんなスタイルでDJをされますか。
今回のジャパンツアーは、光栄なことに2月10日から23日まで、名古屋をはじめ東京や横浜など様々な場所でパーティーを行うこととなりました。今回様々な会場で企画をしてくれた日本の友人達と、レゲエ友達に感謝の気持ちを持って参加するつもりです。何よりも、自分自身が観客の皆さんのためにも、最高に楽しむつもりです!特に、2月21日は韓国のサブカルチャーDJ達との繋がりがある美里さんと初めて一緒にパーティーを行う日なので、皆さんがワクワクするような、韓国と日本、ジャマイカなどいろんな国のレゲエ音楽を中心に、隣接する音楽もミックスしながらプレイする予定です。バイナル盤の様々な音楽を、直接皆さんに聴かせたいです!:)
SGSY インフォメーション
SGSY
https://www.instagram.com/s_g_s_y/
Kingston Rudieska
https://www.instagram.com/kingston_rudieska/
Uheeska
https://www.instagram.com/uheeska/
Komagens
https://www.instagram.com/kom_agens/
Writers
- 内畑美里