『J.E.T. TOUR SERIES [BE’O&Paul Blanco] presented by. WON SOJU』が3月23日に大阪・GORILLA HALL、27日に東京・WWW Xにて行われた。今回は東京公演の様子をレポートする。
事前に大阪公演の様子をSNSで調べてみると、盛り上がるライブの様子に加えてPaul Blancoが「豚まん好きな人いますか!?」と観客に問いかけ551の豚まんを最前列の観客に渡す様子もアップされており、観客と演者双方のテンションの高さが伺えた。その熱気は東京でも変わらず、フロアに集まったそれぞれのアーティストのファンが今か今かと開演を待っていた。

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暗転の後、ゲストアーティストであるAile The Shota(アイル ザ ショウタ)が登場。SKI-HI率いるBMSG所属の彼は、HIPHOPやR&B、ダンスミュージックの要素とJ-POPを融合させた音楽性が特徴のアーティストだ。
激しいEDMにタイトなラップの組み合わせが強烈な印象を与える「Pandora」「Villans」で公演をスタート。大阪公演でのPaul Blancoのステージングに影響されセットリストを変えたとのことで、冒頭から“攻め”の姿勢で観客の視線を釘付けにした。

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「hungover」「jelly」などレゲトンやHIPHOPの要素を取り入れた楽曲では時折ダンスや高音のアドリブを挟み、その多才さを自然な形で見せるパフォーマンスで徐々に会場を温めていく。
「良い形でBE’OとPaul Blancoに繋げられるように」と2人へのリスペクトを示しつつ、最後に新曲「SAKURA」を披露。プロデューサーTaka Perryによる爽やかなギターサウンドと柔らかな歌声で会場を春の陽気に包み込む。短い出番なのが惜しく思えるほど、リラックスした雰囲気で音楽を楽しんでいるようなパフォーマンスが見ていて心地良かった。

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セットチェンジを挟み、ステージのバックスクリーンに「Paul Blanco」の文字が浮かび上がる。パイプオルガンの音色と地鳴りのようなベースによってフロアが荘厳な空気に包まれる中、長髪を振り乱しながらPaul Blancoが登場。ライブハウスの音響がハードなTrapサウンドを存分に聴かせ、彼のダークな世界観を増幅させる。「Moshpit Only」「PURE RAGE」とアグレッシヴな楽曲が続く中でも、時折ファンのスマートフォンに向かってポーズを取る様子が微笑ましい。

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続けて3月にリリースされたばかりの「Henny Freestyle」「EASY」は今回の来日公演で初披露となり、観客からは大きな歓声が上がる。中盤ではRM「Closer」、「Believe」と落ち着いた楽曲で観客を心地よく揺らしたかと思えば、「日本のファンの皆さんはASH ISLANDもお好きですよね!?ASH ISLANDとの曲をやらないとですよね!?」とそのまま「Goodbye」「Paranoid」のギターサウンドで再び会場を盛り上げる。とにかくステージを楽しみ尽くすかのように間髪入れず次々と曲を繰り出す姿が印象的だった。
彼が経験した苛酷な環境、そして友人との永久の別れを歌った「Siren Remix」ではエモーショナルな歌唱を見せ、彼がアンダーグラウンドHIPHOPとR&Bの魅力を同時に体現出来る唯一無二の存在であることを改めて感じさせる。

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「まだ公演は始まったばっかり」とPaul BlancoがBE’Oを呼び込んでコラボレーション楽曲「Baby」「Lavender」をパフォーマンス。BE’Oはゆったりとしたジップフーディにサングラス、存在感のあるトラッパーハットを組み合わせ、ストリートらしさと可愛らしさを絶妙にミックスしたスタイリングは、自らのタトゥーを象徴するマークが背面に刻まれたMA-1を纏う硬派なPau Blancoと好対照を成していた。

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盛り上がりをそのまま受け継いだBE’Oは「Counting Star」「Without You」など自身の代表作を立て続けに披露。ライブの安定感もさることながら、どの曲でも観客が合唱する声がしっかりと聞こえ、集まったファンの熱量の高さを感じた。
打って変わって恋人同士のすれ違いを歌う「Good Night」「Black Heart」では彼の持つ飾らない雰囲気と繊細さを感じさせる歌声で観客を魅了。MCでも「正直に言うと緊張して沢山準備してきました」「日本での公演は今日が最後なので力を出し切ります」とその実直な性格が垣間見えた。

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より一層熱を帯びるフロアと呼応するかのようにジップフーディを脱ぎ捨てて歌う「Flick」「MBTI」からは気迫と確かなラップスキルが感じられ、柔和で爽やかな印象とのギャップに驚く。上がりきったテンションを炸裂させるかのように、そのまま疾走感のあるギターサウンドが楽しい「LOVE me」へ。とめどなく溢れる恋心をエネルギッシュに歌い上げ、公演のクライマックスを迎えた。

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「LOVE me」のアウトロが流れる中BE’Oが退場しここでライブは終了…と思いきや、突如「Summer」のイントロが流れ出しBE’OとPaul Blancoが再登場。韓国でもフェスやライブで定番となっているこの曲だけあって、この日一番の歓声と合唱が巻き起こる。まさに夏を思わせる熱気の中、ステージの上手から下手、フロアの奥の方まで一人一人観客の顔を確かめるように見回し、感謝と愛を伝えながら公演を締めくくった。

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公演全体を通して、観客とアーティストの距離の近さ、日本におけるK-HIPHOPリスナーの熱意を強く感じた。「J.E.T. TOUR SERIES」は、現場でこそ感じることの出来るエネルギーを日本で(しかも東京大阪の2箇所で!)味わえる大変意義のある企画だと言えるだろう。来月の公演はどんなものになるのだろう——今後の公演も要注目だ。

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Setlist

Aile The Shota
1.Pandora
2.Villains
3.hungover
4.jelly
5.Foolish
6.常懐
7.SAKURA

Paul Blanco
1.INTRO
2.Welcome WITH INTRO
3.Moshpit Only
4.PURE RAGE × Money Making Song
5.Henny Freestyle
6.EASY
7.This Love
8.Star Ceiling
9.Believe
10.Closer
11.Good Night (Remix)
12.Goodbye
13.Paranoid
14.Siren

BE’O & Paul Blanco
1.Lavender
2.Baby

BE’O
1.Counting Stars
2.Without You (네가 앖는 밤)
3.Suddenly (문득)
4.Akita
5.All Night (밤새)
6.Good Night
7.Black Heart (검정색 하트)
8.Limousine (리무진)
9.Burnout Syndrome
10.Flick
11.MBTI
12.LOVE me

アンコール
1.Summer

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