Jay Parkが6年ぶりとなる来日公演『2025 Jay Park World Tour [Serenades & Body Rolls] IN JAPAN』を、7月28日に神奈川・KT Zepp Yokohama、30日に大阪・Zepp Osaka Baysideで開催した。本稿では神奈川公演のライブレポートをお届けする。
1987年生まれのJay Parkは韓国ヒップホップ界のレジェンド的存在で、シンガーソングライター、ラッパー、プロデューサー、実業家など多岐にわたって才能を発揮する韓国系アメリカ人アーティスト。2008年にアイドルグループ・2PMのリーダーとしてデビューし、その後はソロアーティストとして活躍してきた。自身のレーベルを立ち上げ、後進の育成や新たなカルチャーの創出にも力を注いでいる。今回の来日公演開催に際しても事前にオープニングアクトを決めるダンスコンテストを開催し、当日の開演前は、優勝したクルー「KANU Crew」が迫力あるパフォーマンスでフロアを沸かせていた。
DJ Wegunの華麗なプレイに続いて、ダンサーが入場。そして客席へ金テープが発射され、Jay Parkが「Oh×3」でライブの幕を開くと、場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。グローバルアンバサダーを務めるグッチのモノグラム柄シャツを羽織ったJay Parkは、全方位に視線を向けてファンとの再会を喜ぶ。「My Last」では笑顔で手を左右に振り、オーディエンスと一体に。爽やかな笑顔で「今日は一生懸命頑張るので、一緒に楽しんでください。わかりました?」と呼びかけ、「よろしくお願いします。大好き!愛してる!」と、日本語でも愛を伝えた。
ボーカル、ラップ、ダンス、ステージパフォーマンス、どれをとっても一級品の技術を持つJay Park。バラード「Yesterday」では切実な思いが込められた温かい歌声を響かせ、「The Truth is」ではマイクスタンドを生かしたクールな踊りを、「Solo」ではキレキレのダンスを展開するなど、様々な表現で魅せていく。
ライブでは、2024年10月にリリースされたフルアルバム『THE ONE YOU WANTED』の楽曲も多数披露。同作はJay Park にとって9年ぶりとなるR&Bアルバムで、Ty Dolla $ignやCHUNG HA、IU、ファサ(MAMAMOO)、ニンニン(aespa)など豪華アーティストが参加したことで話題を集めている。IUをフィーチャリングに迎えた「GANADARA」では、Jay Parkが甘い歌声を響かせて最後に可愛らしくポーズ。またCHUNG HAが参加した「Gimme A Minute」は日本で制作した楽曲だというエピソードを明かし、本人が“若干マイケル・ジャクソンスタイル”と予告した通りのキレのいいダンスを見せた。
観客からは終始熱い歓声が飛び、MCでJay Parkは時にお茶目にリアクションしたり、通訳の発言を真似してみたりして、和やかにコミュニケーションしていく。Jay Parkから日本のファンへの愛情がよく伝わったのが、新曲「Whenever」の初披露だ。これは7月23日にリリースされたばかりの、Jay Park初の日本語シングル。緊張の面持ちで「特別に日本のために準備した曲を初めてやるから、ちょっとミスするかもしれない……」とアカペラで練習してから甘美な歌声で歌い上げ、「大丈夫だった?練習もっと頑張りますね。サビのところだけ自信あるんだ(笑)」と、ほっとしたように笑顔を見せた。
そして特別ゲストとして、Jay Parkと親交の深いAwichが登場。2人が参加したXGのリミックス「WOKE UP REMIXX(PROD BY JAKOPS)」、そしてAwichがアジアのトップラッパーを迎えたサイファー「Asian State of Mind」を、魂をぶつけ合うようにステージで一緒に披露すると、場内は大きな歓声に包まれた。さらにAwichは「Jayさんにはいつもお世話になっております。アジアで団結して頑張ろうという相談をいつもしていて。いち早く1人で世界に乗り込んでいる、すごい人だと思います」と話してから1人で「Gila Gila」「Butcher Shop」を堂々とパフォーマンスし、Jay Parkへ深いリスペクトを示した。
前半では心地よく軽やかな楽曲を中心としたセットリストを組んでいたJay Parkだが、終盤ではエナジーを全力で放出。ミハラヤスヒロが彼のために制作したというスカジャン風ジャケット衣装にキャップを合わせて再登場し、「DNA」「Blue Check」「K-TOWN」などでキレのいいラップを畳み掛けていく。「McNasty」ではAwichが再登場して一緒に体を揺らし、Jay Parkは肉体を躍動させて色気たっぷりにダンス。「Keep It Sexy」では女性用の下着を手に、刺激的なパフォーマンスを繰り広げた。
本編最後の「MONMAE」では、サプライズゲストとしてダンサーのUWAが登場。UWAは7月22日まで放送されていた韓国のダンスサバイバル番組『WORLD OF STREET WOMAN FIGHTER』に「OSAKA Ojo Gang」の一員として出演し、見事優勝をつかんで話題を集めている存在だ。Jay Parkと一緒にセクシーなダンスを繰り広げ、フロアを大いに沸かせた。
「Jay Park! Jay Park!」コールに応えてJay Parkが登場したアンコールでは、序盤で音響トラブルがあり、一部アカペラでの披露となってしまった楽曲「V」を歌う粋な計らいも。最後に重低音に乗せて叫ぶ「Who You」でライブを締めくくると、Jay Parkは退場する前にアカペラで「Whenever」の1フレーズを歌い、舌をぺろりと出してハートポーズを繰り出した。「どんな災難が来たとしても Call me whenever whenever whenever」という歌詞には、彼が本当に伝えたいメッセージが込められているのだろう。Jay Parkは2時間超にわたって30曲超ものを披露し、円熟した魅力を存分に発揮した。
Setlist
1. Ohx3 + Drive
Ment
2. My Last
3. Like I Do
4. Candy
Ment
5. V + iffy
6. Dank
7. Yacht
Ment
8. GANADARA
9. Need To Know
Ment
10. Yesterday
11. The Truth is
<DJ Time>
12. Why
Ment
13. Gimme A Minute
14. 100 day + Mayday
Ment
15. Solo
16. All I Wanna Do
**Whenever**
Ment
17. Taxi Blurr
18. Me Like Yuh (E)
<Guest Artist : Awich>
1) Woke Up Remixx (with Jay Park)
1) Asian State of Mind (with Jay Park)
2) Gila Gila
3) Butcher Shop
19. DNA
20. Blue Check
21. On It
22. Mr. Show & Prove
Ment
23. SOJU + K-TOWN
24. You Know + Ain’t No Party~
Ment
25. McNasty (with Awich)
Ment
26. Keep It Sexy
Ment
27. MOMMAE (with UWA)
<Encore>
28. All I Wanna Do (JP Ver.)
29. JOAH
Ment
30. Who you
Writers
- 岸野恵加