BE’O、Paul Blancoによる来日公演「J.E.T. TOUR SERIES [BE’O&Paul Blanco] presented by. WON SOJU」が3月23日に大阪・GORILLA HALL、27日に東京・WWW Xにて行われる。両公演に向け、2人の経歴やその魅力をおさらいしておこう。
BE’O
2000年生まれのラッパー・BE’O(비오:ビオ)。高校在学中から音楽活動を開始し、2020年にシングル「Monster」でデビュー。2021年放送のHIPHOPサバイバル番組『SHOW ME THE MONEY10』にて披露した「Counting Stars」が反響を呼び、音源として正式にリリースされると韓国の主要音楽チャートで軒並み1位を獲得。最終3位で番組を終えたものの、リスナーからの強い支持を獲得した。
2022年にリリースされたミニアルバム『FIVE SENSES』では、K-POPシーンを代表するラッパーのZICO、上記の番組内で共演したASH ISLANDなど豪華な客演陣を迎え、R&Bやバラード、エモラップなど多様なジャンルをポップな感覚で調理し、ジャンルに囚われない音楽を展開。アルバム『Affection』では、ピアノやアコースティックギターのサウンドを軸に据えてより内省的な世界観を表現した。
BE’Oが持つ高音のボーカルやシンギング・ラップのスタイルは、ラッパーは勿論K-POPアーティストとのコラボレーションでもその魅力を発揮。Red Velvetスルギの「Bad Boy, Sad Girl(feat. BE’O)」では、好意を寄せている相手に対しあえて素っ気ない態度を取ってしまう心情を柔らかなトーンで描写し、美しく芯のあるスルギの歌声と爽やかなケミストリーを生んでいる。
YENA「Love War(feat. BE’O)」は、IZ*ONEでの活動を経てソロアーティストとして活動中の彼女のハツラツとしたイメージを良い意味で裏切るジャジーなR&B楽曲だ。前述の「Bad Boy, Sad Girl」に似た構成ながら、恋人同士のすれ違いを描いたリリックがなんとも切ない。
お互いに日本に関わる仕事をしていた彼の両親が秋田で出会い結婚に至ったということから、冬深い東北の春をイメージした「Akita」という曲もリリースしている。クリアーなボーカルとシンギング・ラップでリスナーの共感を呼ぶ歌詞を届けるBE’Oは、韓国のみならず日本でもリスナーの心を掴んでいる。
Paul Blanco
1997年生まれ、韓国系カナダ人という出自を持つPaul Blanco(ポール・ブランコ)は、中学生の時に楽曲制作を始め、2018年にシングル「Last」でデビュー。
同じく韓国出身でカナダに住んでいたラッパーのUNEDUCATED KID、当時既にアルバム『돈 벌 시간(Time to Earn Money)』でアンダーグラウンドシーンから注目を集めていたCHANGMOらと交流を持ち、そうしたアーティストの楽曲へ参加しながら徐々に知名度を獲得していった。特にCHANGMOとは親交が深く、「2 minutes of hell」、「meet me in toronto」など多数の楽曲でコラボレーションを行っている。この2曲が収録されているCHANGMOのアルバム『Boyhood』には彼の大ヒット楽曲「METEOR」も収録されており、デビューして間もないPaul Blancoの実力をより多くのリスナーが知るきっかけとなった。
2019年には自身初となるEP『Lake of Fire』をリリース。聴いている者を包み込みその世界に引き込むボーカルをゴシックで荘厳な雰囲気のビートに載せ、自身の内側で渦巻く怒りや悲しみを表現した。彼の繊細さと奥行きを持ったボーカルスタイルは、1999年にSMエンタからデビューしたR&BユニットFly To The Skyのファニから影響を受けたものだという。Paul Blancoとファニの透き通るような歌声によるコーラスワークは楽曲「Lake of Love」で聴くことが出来る。
その特徴的な歌声から、前述のCHANGMOだけでなくシーンを支えるベテランラッパーThe Quiettの「Money Can′t」、ファッショニスタとしても知られるKid Milliの「Timmi Holiday」、元SISTARヒョリンの「이게 사랑이지 뭐야(This love)」など、他のHIPHOP/R&Bアーティストの楽曲へ数多く参加している。2022年にはBTSのメンバー・RMから直接オファーを受け英シンガーソングライターMahaliaと共に楽曲「Closer」に参加し、その認知をグローバルに拡げた。
また、自身の楽曲を中心にプロデュースも行っており、彼が制作に参加したNCT 127「윤슬 (Gold Dust)」はオルタナティブR&Bのグルーヴ感とメンバーの声質を存分に活かしたメロディーラインがファンの間でも人気が高い。韓国国内だけでなく、アメリカの人気ラッパーJack Harlowの「Hey Big Head」「Creme」の制作にも携わっている。
聴き心地の良いボーカルとメロディアスなフロウ、叙情的なリリック……共通する作風を持つBE’OとPaul Blancoの2人だが、既に楽曲「Summer」「Baby」「Lavender」でコラボレーションしている。中でも「Summer」は、リリースの翌年にTikTokから火が付きバイラルヒット。トロピカルなスティールパンの音色や、愛する人が去って無気力になった生活をさらけ出す歌詞、調和する2人の歌声、Paul Blancoによる高音のアドリブまで、夏らしい爽やかなテイストと“エモさ”が調和した楽曲だ。
異なる経歴でありながらも、互いにK-HIPHOPシーンで着実に人気を獲得してきたBE’OとPaul Blanco。東京・大阪で開催される来日公演は、そんな2人の世界観とケミストリーを同時に楽しめる貴重な機会となるだろう。
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