2024年12月31日、MIDNIGHT EASTによるカウントダウンパーティ『MNENYE』に、ニューヨークとソウルを拠点に活動するアーティスト・Yaejiが出演した。
2017年にリリースしたシングル「Raingurl」と「Drink I’m Sippin On」で世界的なブレイクを果たしたYaejiは、ソウル、東京、アトランタ、ニューヨークにルーツを持つ。その多文化的なバックグラウンドを活かし、韓国のインディーロックやエレクトロニカ、90年代後半から2000年代初頭のヒップホップ、R&B、テクノまでを包含する独自のサウンドを形成。特に2020年のミックステープ『WHAT WE DREW』と2023年のデビューアルバム『With A Hammer』は、世界の音楽シーンで高く評価されている。
また、そのユニークな音楽性はCharli XCXやDua Lipaといった世界的ポップスターをも魅了しており、これまでに彼女たちとのコラボレーションも実現。さらに韓国のロックバンド・HYUKOHのメンバーであるオ・ヒョクと「29」「Year to Year」といった楽曲制作も行うなど、多方面で精力的な活動を展開している。
そんなYaejiにとって、5年ぶりとなる今回の来日公演では、新年という特別な瞬間を彩るにふさわしい圧巻のDJセットが披露された。
年が明けた深夜1時頃、ステージに姿を現したYaejiは「東京、調子はどう? 私の名前はYaejiだよ!」と自己紹介。続いて、日本語で「あけましておめでとうございます!」と新年の挨拶を終えると、「これから1時間30分のパフォーマンスを披露するよ、楽しんでね!」と観客に語りかけ、DJパフォーマンスを開始した。
DJプレイにあわせて、スクリーンには日本の80〜90年代のTVやCM、ゲームのアーカイブ映像や2000年代前後に大流行したパラパラダンスの映像が映し出された。VJ VIDEO BOYによるこうした日本のポップカルチャーへの深い愛着を感じさせる映像演出も、DJセット前半の会場の盛り上がりに一役買っていた。
一方、DJセットの後半では、2024年にリリースした自身のダンスミュージック回帰作となった「booboo」を披露したが、特筆すべきは、そのMVでも披露され、注目を集めていたコミカルな振付のダンスを踊ったことだ。そのMV以上にアグレッシブに踊るYeajiの姿に会場は大盛り上がり。同じように踊る観客の姿も会場のあちこちで見られた。それを受けて、ステージに立つYaejiのテンションもさらに上昇。トランスやユーロダンス、トラップ、ジャングル、フットワークなど、それまで以上にアップリフティングな選曲のDJプレイで会場を魅了した。このように終始会場を魅了しつづけたYeajiだが、最後は、この日集まった観客に向けて、「ありがとうございました。ハッピーニューイヤー!」と日本語であいさつ。久々の来日公演を大盛況のうちに終えると、満面の笑みを見せながらステージを後にした。
今回のパフォーマンスは、「booboo」でダンスミュージックシーンへの帰還を果たしたYaejiの喜びを体現するかのような躍動感に満ちたものになっていた。また、それと同時に今後の彼女の新たな飛躍を予感させるものでもあった。それだけに早くも次のYaejiの来日が待ち遠しい。
Writers
- Jun Fukunaga
Photographers
- Koichiro Funatsu